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ご覧の通りの有様でございます。

【#MNG】Solid State Logic UC1

久しぶりの #MyNewGear

Solid State Logic社のUC1です。

https://amzn.to/3kVYwrl

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SSL UC1

2種のSSL Native Plugin専用のコントローラーです。

  • SSL Native Channel Strip 2
  • SSL Native Bus Compressor 2

に対応しています。

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SSL Native Channel Strip 2

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SSL Native Bus Compressor 2

プラグインのデザインがそのままコントローラーのデザインとほぼ一致していてわかりやすいことこの上なしです。

また、この製品はDAWの全てのトラックにChannel Strip2をインサートし、バストラックにはBUSCOMP2をインサートすることによって真価を発揮するように設計されており、その要となるのが

SSL360° Plug-in Mixer

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SSL360°

UC1でコントロールできるプラグイン2種をインサートしたトラックを一望できるUC1(とUF8)専用のバーチャルコンソールです。

 

つまりこのUC1という製品は

あなたのベッドルームスタジオにDAWと100%統合したSSLコンソールを組み込むもの、ということになります。

 

例えば実際に実物のSSL9000Kを導入したスタジオがあったとして。

そこで制作されるサウンドは全てSSL9000Kを通りミキシングされますよね。そのような環境を提供する、ということです。

サウンドだけであれば、数多の企業からシミュレート物のChannel Stripがリリースされており、それを使うだけでもさまざまな音響特性を付与できると思いますが、この製品のポイントは物理コントローラーによる操作性を加えるということ。

 

考え方の方向性はSoftube社のConsole 1と似通っていますが、

決定的に違うのが

Softube Console 1は様々なモデリングのChannel Stripに対応しているということ。

SSL4000Eがデフォルトですが、SSL9000K、Neve、api他、Softube社がモデリングして出している他のチャンネルストリップ"ではない"プラグインまでもConsole 1用に使えるようにしていますが、

 

UC1は1モデル(SSL9000K)限定。

 

この点だけ考えると

 

「Softubeの方が色々使えていいじゃん」

 

と思いますよね?

 

実は私はもともとSoftubeのConsole 1 mkII ユーザーで、そこからUC1に乗り換えたのです。

 

双方の長所と短所を突き合わせた結果"UC1を使いたい"と思ったということです。

良かったポイントは

  • つまみを回した時の音の変化の追従性が段違いでUC1/SSL Native Pluginの方が良かった
  • 連動するPluginとコントローラーのつまみが完全一致していて迷いがない

この2点。

 

つまり、Softube製品の不満がここに集約されていたのです。

つまみを回した時の音の変化の追従性が「少し遅れる、空回りしている感覚」があったんですね。あと、複数のモデルを切り替えれることによってノブとプラグインの間で過不足がありました。

「あ、このモデルではこのつまみは使えないんだ」とか

更に言うと機能自体が違うものになっていたりと少々わかりづらく、

結局はSSL4000Eの使用頻度が一番高かったのです。

バリエーション云々よりもコントローラーとしての使い勝手の面で不満があったわけです。

 

結局は「実機コンソールのような使い勝手が欲しい」という一番最初に掲げた命題を、より高いレベルで実現していたのがSSL UC1だった、ということです。

 

もちろん全ての方にとってUC1が良いとは思いません。

自分が何を欲しているのか、というところに拠りますので。

サウンドバリエーションの豊富さの方が大事、という方はSoftubeの方が良いと思います。

 

次にSSL360°について。

SSL360の最終段は通常表示モードではフェーダーになっています。(赤囲部分)

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SSL360_2

このフェーダーはDAWのフェーダーとは連動していません。

SSL NATIVE CHANNEL STRIP 2 PLUGINの最終段のボリュームであり、ボリューム管理がDAW上で2段階の取り扱いになるということです。

また、UC1での選択トラックはDAW上の選択トラックとは連動しません。

つまり、SSLプラグインのみを横断してコントロールしているのであり、DAWのコントロールとは関わりがないということです。(そこを補完するのがUF8なのでしょう)

 

DAW側の音に関わるトラックに全てインサートすることによってこの360の画面で一覧できるようになるので、UC1を使う上では非常に有益です。

もしこの360が無かったとすると、コントローラー側でその時editしているトラックをDAWのインサートからいちいち表示しないといけないですから。

 

後発製品ということもあり、使い勝手については非常によく練られていると思います。

 

また、音の方ですがこのSSL Native Plugin。実機を実際に作ってきたメーカー自身が手がけているから、というのもあるのでしょうが非常に良いです。

前述の、つまみを回した時の音の追従性。

 

「これくらい回したらこれぐらい音が変わるだろう」という感覚と実際の音の変化がとてもマッチしていると思います。

実機のSSL9000Kなど触ったことはありませんがSSL SiXは所有しているので、比較した感じ遜色ないと思います。

 

実は購入前に実物を触る機会もなく、プラグインの方を試用していただけだったので、この点は博打でしたが想像以上に良かったです。

 

ここまで気に入ってしまうとUF8が欲しくなってしまいますが、結構良いお値段なのでとりあえずSoftube Console 1 Faderと併用する形で不具合が出ないか探りつつ使用しています。

C1FにはFUSIONに搭載のVintage Drive的なDrive/Charactor、Stereo Imagerなどもあるのでその辺は共存して使えるかなと期待しています。

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UC1 & Console 1 Fader